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生産者の想いStory

伝統を守る生産者と、肥沃な会津の大地

薬膳カレー「ピンピンころりカレー」の主役であるオタネニンジン(高麗人参)は、
熱意ある生産者と、自然豊かな会津の土によって作られています。

オタネニンジンの伝統を守る人

生産者 清水薬草 清水琢さん

福島県喜多方市にある昭和21年創業の生薬問屋で生まれる。関東の大学に進学後システムエンジニアの道へ進むが、故郷を思い家業の4代目となるべく帰郷。

会津の一大産業
「オタネニンジン」の衰退と復活

オタネニンジン(高麗人参)の産地は日本で3カ所しかありません。その一つが、ここ会津地方です。会津でオタネニンジンの栽培が始まって300年ほどの歴史があります。
かつては、香港への輸出を中心に、会津の一大産業だったオタネニンジン。近年、輸出価格の低迷や生産者の高齢化を受けて多くの農家が生産を諦め、会津のオタネニンジンの伝統はここで途絶えるかと思われました。

会津地域における
オタネニンジン栽培面積

出典:「福島県におけるオタネニンジン生産の現状」
福島県農業総合センター会津地域研究所 研究員 長浜友佳

オタネニンジンで
「漢方の里 会津」を目指す

そんな時に「会津オタネニンジンの歴史を終わらせてはならない」と、一念発起したのが清水琢さん。取り壊し寸前の農協の施設を引き継ぎ、新規就農者を集めた会津人蔘栽培研究会の結成など、会津のオタネニンジン産業の復活に励んでいます。
そんな清水さんの夢は、会津オタネニンジンを復活させ、会津を漢方の里にすること。会津の漢方がたくさんの人々を健康にする未来を夢見て、今日も畑に向かいます。

収穫まで約5年、
手間暇かけて育てられる
オタネニンジン

オタネニンジンは生長が遅く、4~6年もの栽培期間が必要です。また、連作ができないため、一度栽培した土地では次の作付けまで10年以上の間隔をあける必要があると言われています。

栽培には「土」づくりが重要です。栽培の前年から1年間かけて、堆肥などを大量に畑に入れて数回深耕を行います。栽培中も、病害の予防や土壌の改善が欠かせません。また、直射の太陽を嫌い、日覆い屋根で、太陽の角度に合わせて日照条件を細かに調整しながら栽培しています。

オタネニンジンは、根に多くの栄養成分が含まれていることから、小さな根を切ら無いように収穫し、丁寧に土を取っていきます。このように、長い年月をかけて、たくさんの手間をかけてオタネニンジンは育てられています。

300年以上オタネニンジンを育ててきた
肥沃な地“会津”

生育が難しいオタネニンジンですが、会津では300年以上も栽培され続けています。
会津は山々や河川に囲まれた盆地で、肥沃な土壌環境に恵まれていることから、
オタネニンジンの生産に適しています。会津が持つ豊富な自然の恵は、
オタネニンジンだけでなく、お米や日本酒、桃・梨・柿などの果樹栽培、赤筋にんにくや荏胡麻などの様々な美味しい名産品を生み出しています。